おしゃれなデザイナー

「デザインに関して、よく参考にしてるサイトや作品などありますか?」

 自社の中途採用のことで、技術面接官として私からよく聞く質問がある。別に答えが決まっている質問でもないし、言われて欲しいサイトやサービス名のようなものがあるわけでもない。

 実は、経歴も長くて経験も深い、いわゆる「シニアー」と呼ばれるデザイナーのポートフォリオを見ると「感動」より「疑問」を出す時が多い。

 この方は、どういうスタイルを追いかけているのか?


「おしゃれだった」ポートフォリオ

 例えば、一人のデザイナーのポートフォリオの中に、5年前のウェブデザインと1年前のウェブデザインが似たような形で、色と企業名だけが違う場合がよくある。映像系やグラフィック系のポートフォリオを見ても同じ。

 これは、ご本人のデザインに対するこだわり(スタイル)なのか、クライアントや上司からの指示による結果なのか、どういうセンスをもっているのか、私から勝手に判断できない場合がよくある。

 ただ、「スキューモーフィズム」デザインから「フラット」デザインに切り替わった今のIT業界の視線から見ると、決して「おしゃれな」デザインだとは言えないだろ。 


「おしゃれな」デザイナー

 毎回、似たようなスタイルを出して「これが自分のアイデンティティだ」と勘違いしているデザイナーがいる。彼らにとってトレンドとは「いつが終わるシーズン」のようなものかもしれない。

 しかし、私が思う理想のデザインとは、自分のスタイルとトレンドから創られた、まるで変奏曲みないなものだと思う。冬の終わりに感じる春の匂いのように、去年の夏の海辺を思い出すように、トレンドって私の心をいつもワクワク叩いている。

 良い質問と終わらない悩みをしながら、季節に合わせて服を着替えることと同じく、時代を反映するおしゃれなデザイナーになりたいなーとよく思う。

 私はどれほどインスピレーションを取っているのか?どれほどトレンドを読んでいるのか?

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